商売人や経営者にとっての月末は、会社の体力、事業や売上の規模によっては資金繰りに頭を抱える方も多くいます。
クライアントからの支払いサイト(締め日から入金までの期間)が長いと、売上の額によっては経営にかなりの負荷がかかったりもします。
商売や経営は、「外注費や仕入れ」の「買い」が先にやってくる
この外注費や仕入れは売上を立てるためのいわば「資産や材料」になるわけですから、必然的に入金よりも先にやってきてしまいます。その理由から、多くの会社の給与の支払いが月末締め翌月払いになっているわけですね。
そして、事業主にとって「資本金」というものがその会社や個人事業主の体力につながるわけです。いわゆる運転資金ですね。資金にゆとりがあれば、遅い支払いサイトの案件でも柔軟な対応が可能になってくるわけです。
個人事業主や零細企業にとっては支払サイトが遅くなるのは致命的
例えば、クライアント都合で納期が伸びてしまう案件があったらそれと同時に納品→請求→入金が先送りになりお尻の入金が更に未来になるわけです。
「扱う案件の規模」や「案件を消化できるキャパ」にもよりますが、一人や少人数で回している事業形態の場合は、これをやられると苦しいので、リスク分散と収益の柱の確保のため、案件を同時に走らせていくわけですが、一人で事業を回していると、限界があるので資金繰りにはいつも頭を抱えることになります。
自社にとって好都合なクライアントや案件とは裏腹に、大抵は思うようにいかないものです。そこが事業主としての経営手腕や裁量にかかっているのですが、案件の消化と支払いサイトのバランスを見ながら進めていく能力というのは、経験した上でどんな案件をどのように進めて、売上規模の大小も自分の事業規模に見合ったものを選択して上手く回せるように身体に染み込ませていく以外にないです。
仕入れや外注費への支払いは、出来る限りクライアントからの入金のタイミングになるように
私の場合、一人で会社を回しているので小規模案件しか請けることしかできませんが、技術的な分野はほとんど外注化してコントロールしています。
そして売上が増えるほどに外注費などで手持ちのお金がなくなるわけですから、大きめの案件の場合には、出来るだけクライアントからの入金に合わせて外注費や仕入れを支払うようにしています。
クライアントとの関係は外注や仕入れの支えで成り立っている
クライアントによっては入金が請求通りに支払ってもらえない場合もあります。そんな場合でも私は絶対に外注さんには約束通りに払います。現金が全くないときにはカードでキャッシングして払ったこともありました。
こんなことは当たり前ですが、外注さんの仕事で売上が成り立っているという感謝の思いや敬意を忘れてはいけないからです。それがどんな小さな仕事であってもです。そういった信頼とWin-Winの思考で外注さんには仕事をお願いしています。
良い仕事をしてくれて、良い成果物を上げてくれたお陰で、自社のクライアントとの関係が構築できるわけですから、遅れるなんてとんでもないです。
入金が頻繁に遅れるクライアントで、それが直らない場合は切っていく方向へ
そしてここで重要なのがクライアントからの支払いも然りですね。自社から見ればお客様になるわけですから、多少の支払いの遅れは多めに見ます。色々と先方にも事情があると思うので。
しかし、これが何度も続いたり、誠意が見られない場合は要注意です。いずれは切っていった方がお互いのためだったりもします。
収益の柱になっている案件でこんなことが発生すると、判断が非常に難しく悩ましいところですが、「入金が遅れるのが繰り返される」これが続いたら、「これ以上は待てない」「今後は業務を縮小せざるを得ない」ということを丁重に告知するべきです。
これを許していくと、それこそ共倒れになりますからね。
最近個人で依頼を請け負っており、支払いが遅れるクライアントに困ってこの記事にたどり着きました。
このままズルズルと支払いのことを許したまま関係を続けていくのか非常に悩んでいましたが、冷静にこちらも厳しいことを伝えて関係の改善を図りたいと思います。
記事を読んで冷静に考えることが出来ました。ありがとうございました!