エレキギターを始めるとき、アンプを先に買う結果になった苦い体験

ロックスターに死ぬほど憧れて、自分もいつかエレキギターを手にしてあんなサウンドを奏でてみたい!そして絶対にステージに立ってやる!!

ギターに限らず何であれ、十代の多感な頃は情熱を注ぐものが一つや二つ誰でもあったものです。死ぬほど憧れたロックスターに近づくための、はじめの一歩、「エレキを手に入れる」ことについて、当時の十代の私にとっては苦い思い出となって今も残っています。

多くのロック小僧は、エレキギターを始めるにあたっての悩ましい選択を強いられる

エレキギターはその名の通り「電気で鳴らすギター」なわけです。だからギターに加えてアンプが必要になります。アンプがあってこそエレキギターの音が出せるわけです。

しかし、当時(30年以上前)のギターを始めようとしているロック小僧たちの多くは、両方買うお金がないので「ギターを買うか?」「アンプを買う買うか?」を選択することになり、どちらか一つを捨てないといけませんでした。そして当然、ギターの方を選ぶことになるワケです。だって、ギターアンプを買ってしまったら、ギターがないわけで、弾くことができないから(笑)

そして、エレキギターを手に入れたロック小僧たちは、アンプがないので、手持ちのラジカセにつないで「ラジカセを壊しちゃう」なんてことを多くの人がやっていたことでした。

まぁ、そんなロック小僧だった頃の私が、とある失敗から「ギターアンプだけ買うはめになってしまった」という体験談のお話です。

30年前は安価なギター入門セットはなく、楽器自体が高価なものだった

今となってはエレキでもアコギでも初心用の入門セットのようなものが1万円程で売られてますが、30年くらい前は、そういったものはなく、お小遣いを貯めても貯金をはたいても中学生の自分には到底買えるギターなんぞあませんでした。
ギブソンやフェンダーUSAなんて、楽器屋のガラス張りのケースに飾ってあるのを見るだけで、実際に触ることはできないのは然り、持っている人なんて見たこともありませんでした。(プロが使っている、雑誌とかテレビの世界のものでしたね)

中学生の少ない貯金ではエレキギターはあきらめざるを得なかったのだが

あれは中2の冬のある日曜日のこと。当時ギターの相場を知らない私は、以前から貯めていたお金や貯金箱に入ってた、泣けナシの小銭をかき集めた14,000円程を握りしめて「中古なら、これで買えるだろう!」と安易な気持ちで、渋谷の某楽器屋に胸高らかにして向かって行きました。

楽器屋には、当時の私にとっては眩しい程にギターが並んでいました。そんな中で私は「持参したお金で買えるギターを!」という思いのまま、「レスポールで一番安いギターはありますか?」と店員に尋ねました。当時はレスポールタイプは特に高価で、一番安価なものでも、Tokaiのレスポールで4万円ちょっとでした。レスポールタイプがどうしても欲しかった私は、「やっぱり1万4000円では無理か・・」とあきらめて帰ろうとしたところ、「いくら持ってきたの?」と店員が私に尋ねました。私が手持ちの金額を答えると、「これを手に入れる方法がある」と言うので、私の心はそこで一転しました。。

中学生の情熱を食い物にする当時の醜い大人がいた

まぁ、誰でもその方法はわかると思いますが、そうです「今の手持ち金(14,000円)を頭金にしてローンを組めば、お小遣いで買える」というのがその楽器屋の店員の提案でした。中2の私はローンという仕組みをよく解ってないまま「手に入るのだったら!」ということで、ワクワクしていました。

「そういう方法があるのか!?そうか、月々1,000円くらいなら小遣いで何とかなる!」と。まぁ、中学生の私にはこれに金利も上乗せで取られることも頭に浮かばず、とにかく「今日ギターを持って帰れる!」「このレスポールが今日から自分のものになるんだ!」ということで頭が一杯でもう興奮MAX状態だったわけです。

結果的に中学生の私にその店員はローンを勧めきて、気づくと店員の言われるがままにローン用紙に必要事項を記入していまいた。

当然、中学生がローンを組めるわけがないので、「保証人が必要」で「親が購入する」という形になるので、必然的に楽器屋から電話をしたら、親に激怒され、泣く泣くギターはあきらめることになりました。

そこで最終的にギターアンプを買わされてしまうことになった

店員には「親がダメって言っているので、今日は帰ります」と告げたところ、「もうローン用紙書いちゃったし、今日持ってきた頭金に当てる分で何か買ってもらわないとウチも困るんですよ!?」と言われました。しかし14,000円で買える相応のものはなく、一番安いギターアンプが15,000円であったので、店員はそれを勧めてきました。

あと1,000円足りない分については、「今日は14,000円を納めて、残りは後日、商品を取りに来たときに払ってくれればいい」ということでした。

私としては、ギターを買いに来たのでアンプなんて買う気は全くありませんでしたし、ギターがないと鳴らせないので。その時は「買わないといけない」という思いから仕方なく14,000円を置いて後日、アンプを取りに行きました。

「ギターを買うか?、アンプを買うか?」のこのアンプを買うの方をやってしまったわけですね。「エレキギターがないのにアンプがある」という、ギターを手に入れるまでの間、しばらくはそんな悲しい日々が続きました。

そもそもその時、その楽器屋でアンプを買う義務も何もなかったのですが、中学生の自分は、大人の言われるがままに流されて買うことになってしまったんですね。後から大人について行ってもらって返品しようと思えばできましたが、当時、親には言いたくなかったので。

今思い返すとその楽器屋の店員は、悪魔というか鬼というか、中学生の情熱を食い物にするなんて、許しがたいことです。

「ギターがローンで買えない」だったら、「持っているお金で何か買ってもらう」更に「お金だけ置いてもらって、足りない分は、後日商品と引換ね、」って持っているお金を全部巻き上げた上に、楽器屋の都合の良いようにされてしまうという結末ですよ。

純粋な熱い情熱を食い物にされないように

それから時は流れて、私も社会に出て色々な経験をするようになり、大人の事情とか社会の仕組みを知るようになったわけです。

そして、同じように初めて楽器を買いにいくギター小僧に出会ったときは、必ず私が楽器屋に付き添うようにしています。(笑)

まぁ、楽器屋には私が経験したような「心ない店員」はいないこと信じていますが、それでも情熱が熱くなっている事を食い物に、必要以上に高額なローンを組まされたり必要以外の買い物をすることもありえるので、余計なお世話、おせっかい野郎と言われようと、私が買い物についていっています。(マジで嫌ならいかないけど)

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