クリエイター業の修正回数の制限は、顧客目線でいくなら期限内の修正無制限がベスト

WEB制作、イラスト、DTPデザイン、デジタルコンテンツ等、クリエイター業を生業にする人にとって、成果物に対しての修正回数の制限を設けるのは自己防衛やリスク回避のために必須でもあることです。

この修正回数の制限を設けるデメリットとして、時にはクライアントとしては納得がいかない成果物になってしまうこともあるので、「一概にはこの方法がいいとは言えない」と制作のディレクションを行なっていて思うところがあります。

イメージを形にする成果物は、形になってからの要望が極めて多い

例えばホームページのデザインなどのような「イメージが形になる成果物」の場合は、依頼者にとっては「形になってはじめて具体的なイメージができる」わけです。もちろん、ラフデザイン案等で予め提案するのですが、実際に完成した後になってから「あーしたい、こーしたい」という明確な要望が出てくるものです。

更に社内全体で確認したら、上層部からの新たな指摘や意見が出て修正どころの話じゃなくなることもあります。

そんなんで修正回数に制限を設けずに、クライアントの修正に付き合っていると永遠に終わらない仕事になり、費用に全く見合わないことになることもあります。これマジです(汗)

クリエイター業は、クライアントとの線引が必然的に発生せざるを得ない

通常、成果物納品までのプロセスとして、クライアントとは事前に入念なすり合わせをして、ラフ案も提示した上で制作にとりかかるわけでですが、多くの制作業者はそんな中、「費用に見合わない作業をしてしまう」ことを多かれ少なかれ経験しています。だからこそ、ここは一定の線引をして仕事を受けないとすべての作業が買い叩きに合ってしまうわけです。
その線引の代表的なものとして制作業者の多くが取り入れている条件の「完成後の修正は2回まで」というものです。

予算があるクライアントであれば、このような線を引くことはあまりしませんが、多くの案件がギリギリの単価で請け負っている場合が多く、修正2回までがリソースとして妥当であり限界でもあるわけです。

修正作業がたとえ数分で終わるちょっとした作業であったとしても、この線引は厳守します。それは程度や修正の度合いを細かく決められないですし、これを許してしまうとキリがなくなるからです。

この「修正2回まで」という一つの線引は、「修正箇所」ではなく「修正のやり取りの回数」です。「修正をまとめて依頼する」という形を取れば、修正の箇所は出来る限り対応します。もちろん、原型をバラしての作り直しは除きます。

しかしこの「修正2回まで」という制限が、契約なり見積もりに盛り込んでいて、クライアントも納得の上であったとしても、実際には2回だけの修正では満足できない結果となることが多くあります。

発注者が望むものは金額に見合った成果物ではなく、成果物に対する満足感

私がWEBディレクターとして色々なクライアントの対応をしていく中で感じたことは、特にデザイン等、「目で感じる成果物」というものは満足感が欲しいわけですね。

キレイに言ってしまえば、「クライアントと二人三脚で作っていく」ということになるのですが、予算は厳しいのはわかっていても、クライアントとしては、要望に納得いくまで対応して欲しいというのが本音です。

期限内は修正無制限にすれば、依頼者と受注者の双方が幸せになる

このように、始めから相場感がわかっていたり、予算を十分に用意しているクライアントは滅多にいませんので、私の場合は双方が納得した成果物を納める方法として「期限内の修正無制限」としています。

着手金の有無についてはここでは触れませんが、まずは案件がペンディングにならないように、注文書や契約書なりに、「案件(プロジェクト)の最終納期」を相談の上で決めさせて頂きます。「この期限までにいかなる理由があっても納めさせていただく」という約束です。これによりその期間までの売上が確定するわけですから、あとは工数なり人日なりで制作費を打ち出していけばいいだけです。

上記を盛り込むだけで、納期が確定しているので、修正回数無制限が可能になり、双方が納得した成果物を納めることが可能になるわけですね。

ここで、万が一クライアント都合で納期が伸びる場合は、「追加費用が発生する」か「新規案件として扱う」ことになります。

「クライアントにとっては優しくない業者」に写ることもあるかもしれませんが、大きめの案件を扱っている中小企業等は別ですが、数十万クラスの小さい案件を回しているフリーランスクラスや法人の方にとってみれば、クライアントには「良い物を予算内で創りあげる」という目的に立っていただければ、これくらいは理解してもらえると思います。

逆にこれを理解してもらえないクライアントさんならばお付き合いしない方がお互いのためでもあると思うのです。

予算内で品質を上げるには、限られた期限内で双方の協力が必要

修正回数無制限でも、期限内にすることにより必然的にクライアントに負荷がかかってくるわけですが、予算内で納めるわけですからここは理解していただきましょう。
クリエイターとしても、「予算内で最高に良いものを提供するように務める」仕事をすることができるようなるわけです。

品質のクオリティーや実績作りには、仕事を選ぶことが一番の線引

品質のクオリティーは下げずに、実績は積み重ねていきたいものです。
かといって、安い仕事を請けてクオリティーを下げて、実績として身にならない仕事は避けたいものです。

だからこそ、クリエイター業の方は以下のことを厳守して仕事に臨むことをオススメします。

徒労や実績にならない仕事は請けない。
ただただ値切ってくるクライアントからの仕事は請けない。
クライアントの協力体制ややる気次第で自分の実績やクオリティーにも反映するので、そこを理解してもらえるようにクライアントに働きかける能力も養う必要がある。

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